「環境分野における先進技術活用に関する調査」

~IoT・AI・ロボットなどの先進技術を活用した環境問題解決について、 期待と現状を調査~

  • (一社)資源循環ネットワーク・環境イノベーションラボは、ビジネスパーソンを対象に、IoT、AI、ロボット等の先進技術を活用した環境問題解決への期待と現状を調査いたしました。
  • 環境問題の課題解決に対し、約55%のビジネスパーソンが先進技術の役割に期待しています。また、約47%が環境問題に取り組んでいるのに対し、環境問題の課題解決のために先進技術を導入している/導入を検討している企業は約28%にとどまっていました。
  • 実際の技術活用への障壁に関する認識は、技術への知見の深さによってわかれました。IoT、AI、ロボット等の先進技術について一般的な認識を持つ層が、「コストとメリットのバランスが悪い」を最大の障壁と回答したのに対し、IoT、AI、ロボット等の先進技術に専門的な知識を持つ層は、「技術面の制約がある」が最大の障壁と回答しています。
  • 先端技術の活用が最も期待されている分野は、「地球温暖化対策(省エネルギー、再生可能エネルギー等)」及び「循環型社会の形成(廃棄物処理、リサイクル等)」でした。
1 結果の概要
  • 少子高齢化などの社会経済動向やサーキュラーエコノミーへの関心の高まりを受けて、環境問題の課題解決に対するIoT、AI、ロボット等の先進技術の貢献への期待が高まっています。
  • そこで、(一社)資源循環ネットワーク 環境イノベーションラボでは、環境問題における先進技術活用をテーマとするアンケート調査を実施しました。

表 概要の説明

目的 環境分野におけるIoT、AI、ロボット等の先進技術活用への期待と現状を調査
対象 「環境問題」「IoT、AI、ロボット等の先進技術」について、知識を持っている又は聞いたことがあるビジネスパーソン
サンプル数 500名
実施日 2018年8月17日~2018年8月19日

 

  • まず、環境問題への取り組み状況、先進技術への期待と活用の現状を聞いたところ、環境問題への取り組みや先進技術への期待が50%を超えているにもかかわらず、実際に先進技術導入を検討しているまたは導入済みの企業の比率は25%程度にとどまりました(図1)。

図1 環境問題の課題解決への取り組みと先進技術の活用状況(n=500)

  • 次に、先進技術活用の障壁を聞いたところ、先進技術について一般的な知識を持つ層が「コストとメリットのバランスが悪い」と答えたのに対し、専門的な知識を持つ層では「技術面の制約がある」との回答が最多となりました(図2)。

図2 先進技術を活用する上での課題(n=500)

  • 最後に、環境問題において先進技術が活用できる分野を聞いたところ、「地球温暖化対策(省エネルギー、再生可能エネルギー 等)」「循環型社会の形成(廃棄物・リサイクル 等)」との答えが多数となりました(図3左)。また、重要となる先進技術は、「IoT(センサー等からのデータ収集)」、「AI(人口知能)」との答えが多数となりました(図3右)。

図3先進技術活用による環境問題の課題解決を期待する分野(n=500)(左)
課題解決に重要となる先進技術(n=500)(右)

2 まとめと考察
  • アンケート結果から、環境問題の課題解決におけるIoT、AI、ロボット等の先進技術の導入に対する期待が高いにも関わらず、まだ普及段階には至っていないことが明らかとなりました。
  • 特に専門的な知識を持つ層が技術的制約を導入の課題と指摘していることから、先進技術の導入にあたっては、通常認識される「コストとメリットのバランスが取れる活用方法やビジネスモデルの具体化」という課題に加えて、より専門的な検討段階で、「技術に実現可能なことと期待される活用方法との擦り合わせ」という課題を克服することが重要と考えられます。
  • 具体的な先進技術の活用分野としては、省エネやスマート化などの温暖化対策や、IoTの役割が重要と言われている資源循環、サーキュラーエコノミーへの期待が高いという傾向が窺えます。
  • また、活用が期待される先進技術として、「IoT(センサー等からのデータ収集)」「AI(人口知能)」「ロボット」の順に挙げられていることからも、まずは情報を集めることから始め、次にその解析を行い、最終的に現場作業の効率化や省人化に結びつけていくというサイクルを実現していくべきとも考えられます。
  • 以上を踏まえて、弊社では、新たに設置した環境イノベーションラボの活動を通じて、これらのハードル解消、環境問題の課題解決への先進技術活用促進に貢献したいと考えております。

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